インタビュー

フルタイムフルリモート勤務で働くという選択肢で人生の許容範囲が広がった!はたママインタビュー Profile #14 真間亜也子

はたママインタビュー14回目は、性教育の座談会にも参加していただいた真間亜也子さん。

とにかく明るい性教育「パンツの教室」インストラクターでもあり、ファイナンシャルプランナーでもあり、メンタルトレーナーというパラレルキャリアを持つ多才な彼女はとっても魅力的。

日本では金融業界でバリバリ働いていた真間さんはパートナー帯同のため退職して来星後、一貫して「働く」を続けている。3年半の日系メーカーでのパート勤務を経てこの春になんとフルリモート・フルタイム正社員という新しい働き方に挑戦!!

働きたい駐在妻にとって光になりうるその働き方について、就職までの経緯や実際の勤務の様子、工夫点など聞いてみたい!と思い、お話を伺いました。

順風満帆のキャリア黄金期を経ての暗黒期とは?

日本では大手金融会社に新卒で就職し国内・海外の法人向けに財務コンサルを通算15年提供。 海外転職(バンコク)含め金融3社で働きキャリアアップ。転職の合間にはヨーロッパ バックパッカーも経験し、仕事もプライベートも絶好調な20代を過ごしていました。

一転、長女を出産後は、時短ワーママで 仕事と育児のバランスに悩み思うように行かない暗黒期でしたね。さらに 夫の転勤でシンガポールに家族帯同。仕事を辞め、収入や社会的地位を失い、自分の価値を自分で認められなくなり、さらなる暗黒期に。自分はどう生きたいのだろう?と2-3年自分探しを続けていました。
帯同する際に、仕事を辞めてキャリアのブランクができることに恐怖心があったので、日本出発前からシンガポールの人材紹介エージェントにエントリーし、来星して3か月後にはパートとして働き始めました。

「ブランクはいけないこと」という強迫観念があったのだと思います。

パートの勤務先は労働条件もよく、こちらの要望にも柔軟に応えてくれる働きやすい会社で、週3日10-3時の勤務は子供との時間も作れてベストではあったのですが、日本 での働き方と勝手に比較してしまい、収入面、やりがい、仕事の範囲に満足しきれていない自分がいました。それでも、当時はヘルパーもおらず、家のこと、子どものことを自分がしっかりやらないといけないという理由から、もっと責任がある仕事を「やれます」と言えず、自分で自分にOKを出せていなかった時期ですね。そこには「ママが仕事をセーブしなければいけない」という勝手な思い込みも自分の中にありました。そして、その不満のはけ口は夫・・。「私は環境も人間関係もゼロからはじめなきゃいけないのだからもっと寄り添ってよ」「子どものマインドを整えるのも私の担当で大変」「あなたばっかり残業できていいわね」と文句ばかり。現状が自分の望む状態じゃないことの不満を、全部外に向けていたのですね。夫が悪い、女性が我慢しなきゃいけない時代が悪い、と、常に角が立っている状態で、夫婦関係もギスギスしていました。

バンコク勤務時代 会社の上司&部下

個人で活動するという新たな視点

「働いている」ステータスを持つことで安心できていても、いつまた夫が転勤になるかわからない、そうしたらまた私は一からセットアップしていかなければいけない・・・。「夫についていく妻」という現実と自分の働き方に不安やモヤモヤを感じ続けていました。そんな時に、個人的な興味から受講した「パンツの教室」で、個人で活動するママの存在を初めて知り「働くってオフィスだけじゃないんだ!」と気づきました。その時に、私の人生の選択肢が広がった感覚を得たのです。そして、それまで旦那のせい、環境のせい、と外側にあるものを理由にして、自分で自分のハードルを高めていたことにも気づき、自分の内側にあるものを見つめていくことを始めました。

コーチングを受けたり、自己啓発やビジネスの講座を受けたりしながら、2年ぐらいかけて、自分の好きなものは何なのか、自分にとって大事な価値観は何だろう、どんな働き方がしたいのか、自分自身の中にある答えと向き合う作業を丁寧に続けることで徐々にマインドが変化していきました。
組織で働くことやチームとして1つの目標に向かって活動していくことにモチベーションを感じつつ、自分の大切にする想いをシェアして周りと共に豊かになる個人としての活動にも魅力を感じる。私は両方持っていたいんだ、という自分軸が固まっていきました。

世界は狭い!世界のどこにいても働けるリモートワーク

少しずつ自分軸が見えてきたところで、夫に異動の話が飛び込んできて、パートの退職を決断。再び、モヤモヤし始めたところでご縁があり「株式会社Waris」の「海外帯同者向けキャリア支援サービス」のトライアルに参加することができたんです。そこで紹介された求人情報を見て、「リモートで働く」という世界がこんなにも広がっていることに驚きました。
退職を決め、大手思考を手放したことでまた選択肢が広がったんですよね。行動していくことで新たな気づきが増え、世界が一気に狭くなるのを感じました。別の国へ異動になるならば、「リモートという働き方もありだ!」と切り替え、その可能性を探っていきました。
「LIFESHIFT~人生100年時代~」の本を読んだこともきっかけで、「私はずっと働きたい」という価値観も再認識。これまでのキャリアの金融に縛られずに、「Reworker」等の就職マッチングサイトなどへ登録し、幅広く職のリサーチを始めました。結果的に夫の異動話は流れましたが、2020年4月からご縁があった日本の会社の正社員として、フルリモート・フルタイム勤務という働き方をスタート。
「自分で自分の選択をしていく」、そのたびに「これは自分が本当に望んでいることなのか?」と常に問い続けました。自ら選択し、行動を起こしたことでまた気づきがあり、私は「職があること」が安心に繋がるんだ、自分を活かせる場所があり、更に収入を得られることを望んでいるんだとブレない自分軸がどんどんはっきりしてきました。
夫がどこに転勤になろうと、リモートという働き方を知った今は、どこにいっても何かしらは職があると安心でき、動揺や迷い、モヤモヤが一気に吹き飛びました。

フルリモートってどんな働き方?メリットデメリットは?

日本時間の9-5時勤務、シンガポール時間の8-4時(1時間休憩)で自宅で作業しています。同僚たちとのやりとりはチャットツールを使い、必要に応じて連絡を取り合っていますが、電話が鳴ったり、声をかけられたりということがないので集中して作業ができています。基本的に一人で作業するタスクなので、自分で仕事のスケジュールも決められるし、裁量もあり、意思も反映しやすいと感じています。
感じているメリットは、ランチタイムに家のこと、自分のことができること。ヘルパーさんのサポートも大きいですが、子供が病気になったときや長期休暇のときも、家で通常通り仕事ができることなどですね。出社する仕事の時よりも気持ちに余裕が持てていると感じます。
デメリットは、やっぱり寂しい点です。ランチタイムの同僚との些細な会話、世間話などはチャットのやり取りではできないので。あと、家でダラダラと作業してしまわないよう、自分で自分を管理して区切りをつけるという点は注意ですね。私は定時以降は仕事はしないと決めています。
工夫していることは、仕事においては、アラートを早めに出すようにしたり、チャットのやり取りの言葉遣いに注意したり、感謝の気持ちを常に伝えるように心がけています。
家族においては、夫に対して「家にいるけれど働いているから、家事や育児ができるわけじゃないからね」と先にくぎを刺しました(笑)

この働き方にしてよかったこと

フルリモートで正社員として働けるという道が見えたことで、一気に人生に対する許容範囲が広がりました。仕事をするのはオフィスだけじゃない、という気づきからさらに同じ国じゃなくても働ける、という選択肢を知ることができて、どこでも働けるんだ!とワクワクする気持ちしかありません。
いつ本帰国になるのか、次は別の国に異動なのか、ということで私の心が振り回されなくなり、夫に対しても優しくなれました。これまでは夫が分かってくれない、とか、大手の日系企業は女性が働き続ける環境と意識が整っていない、などと、外に外に働けない理由を探しに行って責めて一人でプンプンしていた私。マインドセットを変えて、新しい働き方を手に入れ、どこにいても自分がしたい仕事はできるとわかったので、今は、自分の人生のハンドルを自分で握っていると実感でき心がとても安定しています。
生き方の選択肢が広がるってすごい!
今の夢は、沖縄や田舎で仕事すること!ワクワクしませんか?

2019年 年末 パース家族旅行

キャリアは複数あっていい!

自分が知りたいという思いから、パンツの教室インストラクターの次に、ファイナンシャルプランナー、さらにエネルギーワーク(心理学)・脳科学を学びメンタルトレーナーとしても活動を始めています。自分が知りたい、勉強したいと思って取り組んだことを、周りの人にも役に立つのは嬉しいという思いで、好きでやっているという気持ちがあるので、忙しくて時間がなくて大変、という気持ちは全くないんですよ。自分の内面にしっかり向き合ったから、自分がワクワクすることがわかっていて、それをとにかくやっている感じ。
個人の活動は週末や9時以降の自分時間にやっています。ツールは違いますが、私の活動の根底には、「ママでも人生楽しめる!女性がもっと自分らしく活躍できる社会になって欲しいからママを応援したい!」という気持ちがあるんです。ブランクがあるから、お金がないから、夫がなんていうかわからないから、ママだから・・そんな風に自分で心のハードルをあげていることありませんか?気付かない思い込みを手放してもっと女性もママも輝いて欲しいなと思います。

はたママ読者へのメッセージ

はたママグループの皆さんのおかげで、いつからでも ワクワク人生は再スタートできると改めて気付くことができて、感謝しています。
出産や退職や転勤で一度は何かを諦めたとしても、自分の人生をワクワクで溢れさせる力は 常に自分の中にあって、自分が決めれば いつだって 何だって始められると思っています。もし、自分にそんな力はないと思っているママがいるとしたら、「今は熟成期間かもしれないし焦る必要もない。大丈夫。必要・必然・ベストなタイミングで それぞれのワクワクの種は発芽するから、いつも自分の感情を大切に味わってほしい。」と伝えたいです。人生楽しもう♡

 

Profile
真間 亜也子 (まま あやこ)
在星歴5年。日本では金融業界にて国内・海外の法人向けに財務コンサルを通算15年経験。2016年 夫の転勤でシンガポールに家族帯同。日系企業でのパート勤務を経て、2020年からフルリモートフルタイム正社員としての新しい働き方に挑戦中。その傍ら「パンツの教室」、家計相談、自分らしさを取り戻すセッション・少人数セミナーを提供。

家族構成:夫、娘2人(10歳、6歳)、ヘルパーさん
好きな場所:海
好きなもの:1人時間・友人とお酒を飲みながら明るい未来を語る時間
好きな言葉: 酸いも甘いも楽しみ尽くす

一日の過ごし方:7:00 起床➡8:00 子供たちのお見送り/業務開始➡16:00 子供帰宅・子供との時間➡21:00 ひとり時間➡23:00 就寝

 

Interview and Written by Nao Fujita
Cooperated and Photo by Naoko Udagawa

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