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和僑会×はたらくママ@シンガポール コラボイベントレポート 「起業・フリーランス」を目指すうえで不安に思うことあれこれ聞いてみよう!

先月、はたママの初の試みとして和僑会とのコラボイベントが実施!シンガポールで起業・フリーランスを考えている「はたママ」のメンバー向けにビジネス相談会が行われました。このイベントには、和僑会からシンガポールで活躍する会計士さんや弁護士さんに加え、ベテランの起業家さんがご参加いただけました。

今回のコラボイベントは、「何かしたいけど不安」という思いを持つ「はたママメンバー」と、ワーキングマザーへの接点を模索する和僑会さんの思いがタイミングよく一致し開催されました。

最近、はたママメンバーの中でも「自分で何かしてみたい」という声をよく聞くように。同時に、どうしたらよいか、起業には費用が掛かると聞いたなど、不安の声もよく聞きます。何かしたいものの、不安によって思考停止になり一歩が踏み出せないという人も。

一方、和僑会さんも、こうした「はたママの起業・フリーランス化」への流れを感じつつも、何かアプローチ(応援)できたら…という思いがあったそう。主婦やワーキングマザーへのかかわりが持てないかと模索していたそうです。

さて、今回のイベント。2つのテーブルに分かれて「実は私○○なんです」という自己紹介をしつつなごみながらのスタート。後半のビジネス相談会では、森山先生の司会のもと、起業・フリーランスの活動に向け、不安に思っていることや、不明に思っていることなどが次々と。

 

参加者のまとまりきれていない疑問・不安に対し、和僑会のメンバー方々から小気味よい的確なアドバイスがいただけました。どんな質問でもきちんと拾っていただけるその姿その守備範囲の広さに、元巨人の川相を見たのは私だけでしょうか。

今回のレポートでは、相談会の内容の一部をお伝えします。DP保持者がフリーランスで商売するには?日本とのリモートワークでの注意点は?ウェブサイトをお得に構築するには?など、実務的な相談&アドバイスについてご紹介します。

 

 

DP保持者の起業・フリーランス活動について

 

Q. DP保持者です。シンガポールで自分の商売(販売やサービス提供)をしたいと考えていますが、会社設立が必要となりハードルが高く感じています。フリーランスで活動する他に方法はないでしょうか。

 

A(萱場さん). DP保持者が合法的に働くためにはLOCの発行が必要。個人事業主としての登録は、現行ではシンガポール市民かPR保持者でないとできません。もし、新規事業としてやりたいことを受け入れてくれる会社をみつけることができれば、雇用主からLOCを発行してもらい実現できるかもしれません。どうしても、外国人がフリーランス活動をするのには制限が出てきますね。なお、LOC発行の場合、現状ではDirectorにはなれないとされているので注意が必要です。

LOC発行にかかる時間は、早いときもあれば遅いときもあり、ケースバイケース。LOCの発行は、会社にとって一定のコストにもなるので、丁寧な話し合いの時間を持つなど適切なプロセスを踏まえることが重要です。

 

Q. 中古販売サイトなどで自分の作ったものを販売するのは違法なのでしょうか。

A(萱場さん). 確かに、そういった中古販売サイト物販をしているケースは散見されますが、限りなく黒に近いグレーですね。一般的に、その活動が営利を目的として継続性・反復性がある場合「事業(ビジネス)」とみなされるでしょうから、そうなると外国人の場合は会社の設立などが必要になってきます。年に1,2回で金額も多くなければ、重要性は低いと思われますが、数や金額が多くなるとそうはいかないですね。根拠のない判断は避けたほうがいいと思います。

 

 

日本とのリモートワークについて

 

Q.個人的にMOMに確認したところ、日本とのリモートワークが限られた条件の中であれば可能なようです。納税など注意することはありますか。

 

A(萱場さん&森さん)日本とのリモートワークをする際、雇用による給与所得(アルバイトなど)なのか、個人事業による事業所得なのか、どこでその労働が行われるのか、日本国内に決まった事務所などがあるのか、などによって税金の取り扱いが異なります。場合によっては日本で申告納税が必要となるケースや、シンガポール側での税金やビザの問題にも発展する可能性もあるので注意が必要です。なお、クラウドワークの仲介サービスは、海外在住者側の税金の取り扱いについて、仲介サービス側ではリスクを負わない利用規約となっているケースもありますので、仲介サービスを利用しているからといって税務リスクが無いとはいえません。

 

 

ウェブサイト(ホームページ)の効率的な作成について

 

Q. 自分で商用のホームページを作成しようと検討しています。フリーのものから有料のものまで選択肢が多すぎてどれを選んだらよいのか迷っています。

 

A(中川さん) 確かに、今は手軽にホームページ作成ができるようになっていますね。例えば、世界的なホームページ作成ツールの「WIX」であれば、有料版でも約2万円/年でサーバーを借りることができます。ドメインも「お名前ドットコム」で約3000円/年で独自ドメインを取得できます。メールも、「G Suite」を利用してドメイン名と同じアドレスを取得することもできますし、他にもホームページをお得に作成するツールがたくさんあります。

 

Q. SNSの活用が広報をするにあたり大切だと思うのですが、ホームページ作成で手が回りません。

 

A(中川さん)ホームページとSNSで掲載する情報を変えて、使い分けてみてはいかでしょう。ホームページには、会社概要などの固定的な情報。SNSでは動きがあったり、ニュース性があるような情報を載せるなど。最近の傾向では、ホームページはシンプルになっていて、会社案内の役割をしているところが多いようにも思います。

 

Q. ホームページ作成があまりセンス良くできません。

 

A(中川さん)ホームページ作成の際に、いちから自分のアイディアで考えるのは大変かと思います。どこか、モデルとなるページを見つけて真似をしていくのがいいと思います。例えば、CANVASというフリーのレイアウトデザインなどのテンプレートを活用するのもよいかもしれないですね。

 

 

上述以外にも、たくさんのあれやこれやの質問が。2時間ちょっとの時間では足りないというところもあり、また2回目、3回目の開催があることを願ってやみません。

同じシンガポールでそれぞれに活動していた、和僑会とはたママ。それぞれに、仕事をテーマとして活動していても、なかなか接点がなかったのが事実。

今回のコラボイベントを経て感じたのは、どのような立場にあっても、「シンガポール」という舞台で、誰かの何かに貢献したいと必死に額に汗するサムライとなでしこがすぐそばにいたのだと言うこと。

せっかく得たご縁なので、これからは互いに連携しながらシンガポールでの事業を盛り上げていけたらと思いました。

和僑会メンバーのみなさん、本当にありがとうございました!!!!

 

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シンガポール和僑会とは?!

2004年に香港で発足以降、世界中で拡大している日本人起業家を中心としたコミュニティ。「和僑」とは華僑を模した造語で、世界各地で起業する人、企業のリーダーを目指す人たちの意味。和僑会では、全ての「和僑」の人たちの育成と支援に資する活動を行っています。シンガポールでは約150名以上のメンバーが在籍。起業家に限らず、現地で働くすべての人に門戸を開いており、会員にビジネスチャンスを広げる機会を提供しています。

 

シンガポール和僑会

https://www.sg-wakyo.com/

 

はたらくママ@シンガポールとは?!

2013年にはたらくママ向けの情報収集やコミュニティの大切さを感じたところから発足。シンガポールのワーキングマザーを応援する活動を行っています。「つながる・学ぶ」をテーマに、仲間づくりの場や情報交換を行うためのコミュニティとして発展し、現在300名以上のメンバーが在籍。最近では、ホームページにて活動情報など会員以外にも展開中。

はたらくママ@シンガポール

http://asia.hatamama-world.com/

 

和僑会からの参加者プロフィール(順不同)

萱場玄さん:CPA CONCIERGE PTE LTD 代表。公認会計士。

森和孝さん:弁護士法人マーキュリー・ジェネラル。弁護士。

森山正明さん:英進館シンガポール 代表。

中川正道さん:日本アシストシンガポール。シンガポール和僑会 事務局長。東南アジアで一番頼れる情報サービス「ビズラボ」提供。

 

Event Organised by

Masamichi Nakagawa, Makiko Ono

 

Photo by

Mari Kamakura

 

Reported by

Aiko Mochizuki

 

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