インタビュー

シンガポールのワーキングマザーに聞いてみた、家庭と仕事の両立に大切なこと VOL3

今回で3回目を迎えるシンガポールのワーママに聞く「働くとは、家庭との両立とは」を突撃でうかがうシリーズ。三者三様とはまさにこのことで、先日はたママ特派員が、インタビューさせていただいたワーママもすごくパワフルで素敵な女性でした。

 

3回目となるインタビュー。応じていただけたのは、社会的企業(事業を通じて社会の課題を解決する企業)「gift it forward」のCEOであるTheresaさん。実は、Theresaさん、カナダ出身でヨーロッパでのMBA留学経験を経て、シンガポールでグローバル企業へ就職の後、PRを取得される起業する(←今ここ)というスーパーウーマン。私生活では3人の息子さんがいらっしゃいます。

 

Theresaさんほどの実力があるかたなら、ワークライフバランスなんておちゃのこさいさい。なんでもできてしまうのではと、無能なはたママ特派員は卑屈になってしまうのですが、やはりそこは同じ人間だもの。

家庭と仕事との両立について工夫したり、試行錯誤されていたところがありました。Theresaさんのパワー源とは。仕事の位置づけや家庭とのバランスの秘訣は?!

 

 

起業するまでの軌跡?!もっと忙しくなった?!

 

特:最初にお子さんのご年齢などバックグランドを教えてください。

 

T:私には、6歳、5歳、3歳の息子がいます。私は生まれは香港生まれのカナダ育ちなんです。フランスでMBAを取得している時に、シンガポールに交換プログラムで来てそのままシンガポールで働くようになりました。その後、PRを取得しました。

 

特:とっても国際的!!

 

T:そうかもしれないですね。夫も、カナダ出身。私がシンガポール移住を決めた時、彼にもシンガポールに来てもらうようにお願いしました。幸い、彼は世界のどこでも働けるスキルがあったので。

 

特:素晴らしい旦那さんですね。今に至るまでカナダには戻らずシンガポールで働いたのは?

 

T:シンガポールに来たときまだとても若くて。挑戦をしたかったということがあります。通信メーカーのアジア広域の戦略策定を担当したりと、とっても忙しく働いていました。ただ、やはり子どもができてその働き方を続ける難しさを感じました。

 

特:なるほど。

 

T:3年で3人の子どもを育てることになり、長男が生まれたころからヘルパーさんを雇いました。フリーランスのコンサルタントとして働いたり、パートタイムで働いていました。

子どもができて、誕生日などのイベントをしたり、招かれたりするようになりました。そんな時に目にしたのが、プレゼントから出る大量のゴミでした。私は、自分の子どもたちに無駄使いをするのではなく、「シェア」するようになってもらいたい、もしくは環境問題への意識をもってもらいたいと思うようになりました。環境への「パッション」が起業へと私を突き動かしたと思います。

 

特:確かに、子ども関連のパーティーは賑やかですが、ゴミもたくさん出ますね。

 

T:そうなんです、これは香港でもカナダでもよく見られる光景で。2016年に一念発起して一番下の子が1歳半の時に起業しました。欲しくないプレゼントを大量にするのではなく、もっと有意義なプレゼントができるよう「gift it forward」を設立しました。

 

T:このサイトは、単純にプレゼントを買う専用サイトではありません。例えば、誕生日会の場合。主催者はサイト上で招待状をゲストに送付します。招待状を受け取った「プレゼントをあげる側の子ども(ゲスト)」が、オンライン招待状を開くと、プレゼントを買うためのお金を一部をチャリティとして寄付できる画面が現れます。

ゲストの子どもは、チャリティ先は複数の団体がリストになっているので、そこから自分で考え選択することができます。そして、どの団体へ、どのくらい寄付するか割合を選ぶことができます。最後に、寄付しなかった分のお金はチェックなどで主催者(ホスト)へ。

 

こうして、私たちの仕組みを通じて子どもにとって「プレゼントを買う」という経験が、「誰かを助ける」ことにもつながるのだということを学んでもらいたいと思っています。※本サービスの詳細はこちら

 

特:素晴らしい取り組みですね。子どもが自主的に社会への関心を持つことは大切ですね。

 

T:日本人のお子さんもこの仕組みで”プレゼント”したことあるんですよ。子どもたちには、環境や社会の問題について意識高くあってほしいです。

 

 

仕事(起業)と家庭の両立とは?! 「1週間」という時間の中でバランス、起業は素晴らしい経験

 

特:ここまで起業までの経緯をお伺いしました。次に、仕事と家庭の両立について教えてください。

 

T:確かに、働いていると頭のどこかに仕事のことがあって離れません。できるだけ、子どもといるときは、子どもに集中するようにはしています。起業してからは、時間の柔軟性が高くなったと思います。会社で働いている時は、1日10時間という「拘束時間」がありましたから。それに比べると、自分で起業しているのでコントロールしやすいですよね。

 

確かに、起業したての時は、子どもがヘルパーと過ごす時間が多くなっていました。その時は、できるだけ子どもとの時間を作るよう寝てから仕事したりしました。今は少し余裕が出てきたので、時間を「子ども、趣味、仕事」と割り当てて1週間単位でハンドルすようにしています。

 

特:想像するに、起業したほうが忙しいような気もするのですが…。

 

T:確かにそういう部分もあるかもしれません。でも、会社で働くことはいつでもできると思っています。挑戦できる時間は限られています。私はどちらかというと、少し困難がともなう選択をするタイプかもしれません。

 

 

最後に一言

 

特:素晴らしいお考えですね。すぐに安きに流れる私としては、お恥ずかしい。これからもTheresaさんの「giff it forward」という航海は進んでいくと思います。展望などはありますか?

 

T:将来のことはまだあまりしっかり考えていませんが、今のビジネスをもう少し拡大していきたいと思っています。寄付先も、シンガポールだけでなく世界中へ広げたいですし。たくさんのチャリティ活動へ寄付できるようにもしたいと思っています。

 

特:最後に、はたママのコミュニティには起業を考えている女性がたくさんいます。一言お願いできますか。

 

T:起業は、決して簡単な選択ではありませんが、素晴らしい経験だと思います。そして、実現するためには、家族の理解や経済的なサポートも含め、重要になってくると思います。最初はしんどいです。しかし、人生は限られているので自分の「パッション」にかけてみるのもいいかもしれないですね。

 

 

お話し中も、終始パワフルなTheresaさん。本当に、自分の中からこみ上げてくる思いがいっぱいつまった仕事をされているのだなと、強く感じました。

自分のしたいことを仕事にされているからか、家庭と仕事の両立を自然にしている印象を受けました。なんとしてでもバランスせねば!と肩に力が入っておらず、「一度きりの人生を楽しまなきゃ」という前向きな姿勢がうかがえました。

Thresaさんにとってみれば、働きながら子どもと過ごし、子どもと過ごしながら仕事するというようにどちらも生活の一部になっているのかもしれません。

 

みなさんにとって、家庭と仕事の「バランス」はどういうスタイルでしょうか。時間で割り当てるのではなく、Theresaさんのように流れの中で「バランス」するのもいいなあと思いました。

 

素敵なTheresaさんのプレゼントサイト。ベビーシャワー、誕生日、歓送迎会、などプレゼントの機会に是非ご利用してはいかがでしょうか。いつものプレゼントでどこかの誰かも笑顔に。

ThresaさんのHPはこちら:http://www.gift-it-forward.com/

 

Cooperated by:Theresa Evanoff, Madoka Nakano
Reported by: Aiko Mochizuki

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