プレはたママの挑戦。「できないことよりも、できることを」

はたママ@シンガポールは、その名前から「働くママ」を中心に応援しているグループと思われがちです。しかし、実際のメンバーにはこれから働きたいママや産休・育休中のママもいます。家族で一緒にシンガポールに移住し、出産・育児のかたわら仕事をどうしたらいいか…迷っているママはたくさんいます。

はたママのグループの中には、そうした「働きたい」気持ちを持った人たちが集まり活動する「プレはたママ」というサブグループがあり、同じ状況を持つ者同士での交流をしています。

プレはたママの悩みは「仕事と育児は両立できるのか」「制約がある中、自由に働けるのか」「ブランクがあって今までのようにバリバリ働けるのか」「求職中だが経験なく見つかるのか」など様々。

プレはたママの活動では、こうした働き方を模索しているプレはたママが、プレグラなどに集まり子どもを遊ばせつつ、お互いの悩みや思いをシェアしています。

さて、こうした活動や交流を通じて何人かのプレはたママメンバーが「自分がしたいこと」を実現しようと新しい挑戦を始めつつあります。

そのひとつが、乳幼児を対象にした「手遊び歌の会」。

早速、特派員はこの「手遊び歌の会」に潜入してきました!

プレはたママメンバーに直接いろいろ聞いてきましたので、始めたきっかけや思いについてご紹介します。

手遊び歌の会、日本語・英語の歌がたくさん

特派員の無学な頭では「げんこつやまのたぬきさん」くらいしか思いつかないのですが、会ではそんな昭和の臭いプンプンの歌ではなく、子どもたちもママもニコニコしてしまう楽しい歌が、日本語・英語の歌を合わせて10曲ほど歌われました。もちろん、手振り付きで時には体全体を使っての歌もありました。

プログラムは、主催のMさんが英語講師養成スクールやローカルの人から教えてもらった英語の歌に加えて、日本語の童謡にオリジナルの振り付けがつけられています。同じ曲でも、ゴロン、お座り、ハイハイよちよち、自分で真似っこできるなど月齢にあわせて動きを変えているそうです。

時間は、1時間ちょっとくらいで子どもにもママにも負担がないようになっていました。会の後半では、子どもをおもちゃで遊ばせながらママ同士が交流する時間もありました。その時間には、主催メンバーお手製のケーキが!!とっても、おいしく贅沢な気持ちでいっぱいになりました。

手遊び歌の会は参加 費無料で2週に一度。場所もコンドの共用スペースだったりと気軽に行きやすい条件になっていました。スペースの都合上、キャパシティが大きくできず参加希望者のキャンセル待ちが出てしまうのが今の悩みだそうです。

活動は二人とも完全にボランティアで、気軽に参加してもらいたいという思いから参加費は無料です。小さい子どもがいると突然のキャンセルもやむを得ないときも。なるべく気兼ねなく参加してほしいという気持ちがあるからこそ、こうした参加の敷居をさげる配慮がされていると感じました。

手遊び歌の会の対象は、月齢が近い赤ちゃんや子どもたち。そのためか、ママの抱える育児の悩みなどが似ていました。おしゃべりの時間には「便秘対策」などが熱く語られていました。

 

 

手遊び歌の会を主催する二人

手遊び歌の会の主催は、プレはたママのMさんと、はたママのAさん。

Mさんは、学生時代のオーストラリア留学中に児童英語講師の資格を取得していました。この資格を取得すると、こどもが歌や踊りなど体で自然に言葉覚えられるようなプログラムを考えられるようになります。この経験が手遊び歌の会のプログラム構成に、役に立っているそうです。

他方、Aさんは1人目を育てているときにはシンガポールに日本人向けの乳幼児サークルがあったそうですが、それが2人目出産のときにはなくなり寂しい思いをされたとか。

日本の児童館のようにママたちが気軽に交流したり、お互いの子どもの成長を一緒に喜び合える場があったら嬉しいなと思い、手遊び歌の会を主催するようになったとのことです。

二人の出会いは実はプレはたママの活動。Mさんがプレはたママを対象としたトライアルでの手遊び歌の会を実施し、参加者から「これなら大丈夫」と背中を押されながらも、開催を模索していました。

そんなとき、Aさんと偶然出会い、お互いの思いを話すうちに意気投合。これを機に今の定期開催に至っているとのことです。

「できないこと」を嘆くのではなく、今「できること」を

Mさんが手遊び歌の会を始めたきっかけは、育児に困ると感じることが多かったことからでした。

 

「見知らぬ土地で、知り合いもいなくて、ママ友も子どもの友達もどこで知り合ったらいいんだろう?」

「日本みたいに公園に行ったら誰かがいて知り合えるということもない」

「親子連れが集まりそうなイベントの情報を探すのも大変、そこに毎回一人で乗り込んでいくのもドキドキ…。」 などなど

 

限られた情報の中、育児で仲間を作る機会があまりなく、あっても参加にためらったりと、なかなか自分にぴったりくるものを見つけることが難しい状況で自分たちの交流の場を持ちたいと強く思うようになったのがきっかけのひとつだそうです。

 

また、2人目を出産後、働きたいものの、旦那さんの会社の制約とのバランスもあり自由に働けず、何をしていけばよいかずっと迷っていたそうです。特に、子どもがまだ小さいこともあり、誰かに預けて働くかどうか、子どもと過ごす時間を大切にしたいが働きたい気持ちもあるような…「働くかどうか、働くべきかどうか」に心を悩ませていました。

いつのまにか、「ママでいなければならない」「子どもがいるから働けない」という風に自分で見えない鎖を足につけて、自分の可能性を狭くするような発想にはまっていったそうです。

 

他にも、なかなか「思い通り」にならない生活に対して、苛立ちや焦りを感じる日々。子ども中心の生活でいわゆるシンガポールライフできてないなど、気づけばできないことばかりを数えていたそうです。

 

悩む一方で、母親が子どものせいで何かを「犠牲」にしたということを子どもに思わせたくないという思いもありました。こうして悩む日々の中からも、少しずつ「子どもとの時間を大切にしながら楽しめて、今の自分だからこそできること、誰かの役に立てること、きっと何かあるはず!」と今の状況で「できること」を考え始めるようになったそうです。

 

こうして、シンガポールでの育児と仕事(働く)の両立について、悩みに悩みついた末にたどり着いたのが、「手遊び歌の会」。過去の自分の経験を活かすことができ、本人も長女育児中に欲しいと思っていた親子の触れ合いの場であり、さらにはママ同士の交流の場となるまさに今の状況で「したいこと」であり「できること」でもありました。

 

 

二人の思いが形に、そして動き出した

Mさんのこうした活動への思いが形になっていくまでには、周りの人からの後押しがありました。たまたま、プレはたママの活動で手遊び歌の会の構想を周囲に口に出したところ「やってみたら!」の一声が。

1歳から2歳くらいの子どもを対象としたイベントを第2子の妊娠中にトライアルで実施したところ大好評だったそうです。FBなどで公開したところ反響も多く、こうした経験が自信につながったとのこと。第2子を出産後は、1歳以下を対象とした会の実施を考えていたところ、前述のようにAさんとの出会いがあったそうです。

一方、前述の通りAさんは、育児と仕事の両立をしながら、手遊び歌の会を主催しています。手遊び歌の会を無理なく楽しく続けていくことを大事にしているそうです。かつてあった乳幼児向けのサークルがなくなってからは、日本の文化や歌などに触れ合う機会をたくさん子どもに提供したいという思いがありながらも、何をしてよいか考えていたそうです。

そんな時に、Mさんとイベントで知り合い手遊び歌の会の話を聞いて、求めていた「子どもの成長を喜び合える場」であると感じ共同で定期開催をすることに。積極的に場所の提供や子どもをあやしたりとプロ顔負けのホスピタリティで会の運営をされています。これからも、自分も楽しみながら続けていきたいという思いがあるそうです。

 

 

「子どもがまだ小さい」ことを理由に「働くべきか」を迷ってる人は多くいると思います。一方で、自分の「好きなことができない」「これでいいのか」という気持ちがあるのも事実ではないでしょうか。ましてやシンガポールという異国で、育児と自分の「自己実現」の部分をどうやってバランスしたらよいのか漠然と迷い焦ることもあるでしょう。

手遊び歌の会を運営する二人の姿にその答えはあるような気がしました。

モヤモヤすることがあってもそこで留まるのでなく、なんとか前や横へと進みながら自分で「できること」を見つけることが大切なんだと思いました。そして、「こういうことがあったらいいな」と思う気持ちを持ち続け、誰かに伝えていくこと。その二つがそろったときに、ある一つの形となり、自分にも人にも楽しいと思えるような時間を作り出せるのではないでしょうか。

 

今までのような形(例えば組織で何かの役職をもって働くなど)とは少し違うのかもしれないですが、「できること」「あったらいいな」を実現する方法はきっとある、そういう思いになりました。そして、それをめいっぱい楽しみ、続けていくこと。そうすることで、また新しい挑戦ができる自分に成長していくんだとも思いました。

 

二人の挑戦、これからも応援していきたいですね。

 

さて、みんなが笑顔でキラキラ星を歌っている時、「あ、唯一これは知っている!」と少し安心しながらも、来年こそ、もう少し平成手遊びソングのレパートリーを増やしたいと思いました。平成が来年で終わりやけど。。。

 

Reported by

はたママ特派員:Aiko Mochizuki

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