潜入レポート:新しい時代の夫婦のカタチ「アセアン家庭の男女平等における新視点」を聞いてきました!(前編)

突然ですが、みなさんのご家庭で夫婦間の家事・育児の分担ってどうされていますか?

ヘルパーさんがいらっしゃる場合だと、分担の範囲は限られてくるでしょうが、少し振り返ってみて下さい。

 

ここ数年、SNSやメディアで「イクメン」「スーパーダディ」という言葉をよく耳にします。シンガポールで暮らしていると、プレイグラウンドで子どもの面倒を見ているお父さんたちをたくさん見かけます。

 

ふと、我が家の「お父さん」の役割を果たすべき配偶者を見てみると…。コメントを書こうとすると黒いものしか出てこない気がするので、控えさせていただきますが、なにやら世の中とずれいているように思えるところが多々あるのが現状です。日頃より、どういう夫婦のあり方が我が家にとっていいのか悶々。

 

そんな私の気持ちを知ってか知らないか、絶妙なタイミングでシンガポール日本商工会議所主催の講演会で、博報堂生活総研アセアンが「アセアン家庭の男女平等における新視点」についてお話されるとの情報をキャッチ。

 

これは、実態をきちんと知り参考にする絶好の機会であると思い潜入してきました!

 

講演では、アセアン主要国5か国(シンガポール、タイ、マレーシア、インドネシア、ベトナム)の家庭、5000人を対象にした夫婦の役割分担に関する調査が報告。現在社会の主流のタイプは何か、夫婦の主導権はどちらにあるのかなど、4人の講師の方が詳しく説明していました。

なんでも、夫婦の役割分担には4つのタイプがあるそうです。いわゆる、「男が仕事で女が家事」というタイプだけではない、他の夫婦のカタチが存在しているのだとか。そして、大変興味深いのが、このタイプによって「夫婦間の満足度」も異なってくるのだそうです。

 

なお、講演会の後半には、家族のありかたを踏まえたアセアン生活者のマーケティングについての話もありました。こちらの話も興味深かったのですが紙面の都合で入りきらず…。マーケティングサービスに興味がある方は、HAKUHODO CONSULTING ASIA PACIFICまでお問合せください。

 

それでは、今回の潜入レポート。前編では講演会の内容の一部をご紹介し、後編では新時代の「夫婦のあり方」について考えてみたいと思います!

 

どんな夫婦の役割分担タイプがあるのでしょう。そして、みなさんのご家庭はどのタイプに当てはまるのでしょう??

 

【夫婦の役割分担4つタイプ】

 

博報堂生活総研アセアンさんの調査結果によれば、夫婦の役割には次の4つのタイプがあるそうです。このタイプというのは、共働き・専業主婦のような家庭に関わらず、どの家事を誰がしているかにより分類したもの(なお、アセアン主要国では8割以上が共働き)。

それでは、男性の家事への関与が低いものから順にずつ見ていきましょう!

 

<トラディッショナルタイプ>

(定義*)

 女性が家事や育児など家のことに責任を持ち、男性が仕事のことに責任を持っている。

 

(特徴)

・全体の22.7%

・夫の稼ぎのほうが妻の稼ぎよりも多い家庭が74%

・夫婦間の満足度では、女性の満足度が低い 

 → 「私ももっと働きたい!」「もっと手伝って!」という気持ちがある。

・男性の家事育児への参加がほとんどなく、ある家庭では家にいるときは酔っぱらっていつも寝ている夫も

 

<タスクベースシェアリングタイプ>

(定義)

 妻と夫が家事、子育て、教育、仕事、日々の買い物などを平等に役割分担する

 

(特徴)

・全体の50.9%

・夫婦で平等に稼ぐ家庭が24%、妻に何らかの稼ぎがある家庭が89%

・夫婦の満足度では、男女ともに高い

・家事をシェアすることへの意識が高く、ある家庭では家事リスト(エクセル)を作成して分担を管理している

・男性の家事負担が他のタイプより多い

 

<フレキシブルシェアリングタイプ>

(定義)

家事、子育て、教育、仕事、日々の買い物などは誰でもその時にできる方が担当する

 

(特徴)

・全体の24.8%

・夫婦平等に稼ぐ家庭が24%、妻に何らかの稼ぎがあるの家庭が87%

・夫婦の満足度は妻の満足度が高くない

 →「結局わたしばっかりやってない?!」「もっと手伝って!」という気持ちがある

・夫は「やっている」と思っていても、妻から見ると「やっていない」ように見える

 

<スイッチタイプ>

(定義)

夫が家事や子育てなどの家のことに責任を持ち妻が仕事など外のことに責任を持つ

 

(特徴)

・全体の1.5%

・夫のほうが稼いでいる家庭が52%で、男性の稼ぐ力が他のタイプより低い

・実態の家事の分担では妻が多い傾向も

・夫が望まずに仕方なく家事負担をしている

・女性の満足度が低い

 

このように、共働きがほとんどのアセアン主要国の家庭では、「タスクベースシェアリング」タイプのように、家事育児を明確に分けている夫婦が多く、満足度が高い傾向にあるのだそう。このタイプの夫婦では、日々の買い物でも意見交換をしており、高額な買い物(車)であればなおさら互いの要望をすり合わせていたりと、コミュニケーションが密に行われているように思われました。

 

一方、同じような「フレキシブルシェアリング」タイプでは、男性と女性の家事への意識の違いから、意外にも満足度が高くありませんでした。確かに、家事といっても質にこだわる人もいるので、夫婦といえどもレベル感を合わせるのは難しいですよね。

 

そして、いわゆる「夫は仕事、妻は家事」というトラディッショナルな家庭も、一定数はいましたが、女性の満足度が高くありませんでした。また、その逆の「妻が仕事、夫家事」の状況でも同様。満足度が高くない背景には、「家事」は公平に分担すべきという女性側の考え方があるのだと思います。ひと昔なら、台所は男子禁制のように、女性自身が「家事」を女性の仕事と捉えていた時代があったかもしれません。今は違います。

 

こうした、社会の変化、女性の変化をとらえ、コミュニケーションを進めている夫婦だと「満足度」が高くなるのかもしれませんね。

 

みなさんのご家庭はどのタイプが最も近そうでしたか?

我が家も早速タスクを分けるようにエクセルを作ってみたいと思いました。エクセル表作成だけで2か月くらいかかりそうですが!

 

少し長くなったので、続きは次回に。

次回は、アセアンでも広がるイクメン・スーパーダディの流れと新時代の夫婦のあり方についてお届けします。

 

*タイプの定義については、冊子「アセアン家庭の男女平等における新視点」より抜粋しています。「アセアン家庭の男女平等における新視点」の調査概要・結果について詳しくは、博報堂生活総研アセアンさんのHP(http://hillasean.com/)よりご覧いただけます。

 

Speakers:

Goro Hokari, Yusuke Miyabe, Prompohn Supatoravanich, Joanne Hoe Shuhui

 

Reported by

Aiko Mochizuki