はたママ特派員が聞く、知っ得レポート!!
このレポートでは、シンガポール生活で知って得する情報をお伝えしています。今回も前回に引き続き、はたママにとって、とても助かるヘルパー(メイド)さんに関する情報についてです。
ヘルパー(メイド)さんとの生活が当たり前のシンガポール。3月に開かれたヘルパー(メイド)さんを雇っている4人の体験談をシェアするはたママイベントに 特派員が参加してきました。
良好な関係を構築し、互いに納得しながら生活するということは簡単なことではないでしょう。どのように生活していけばよいのか、4人の体験談の中には、ハッピーにくらすためのヒントがたくさんありました。
今回は、ヘルパー(メイド)さんとの生活編(雇用後)についてお送りします。
ヘルパー(メイド)さんとの生活で必要なこと
ヘルパー(メイド)さんとの生活の仕方は家庭により様々です。しっかりマネジメントする家庭もあれば、ゆるりマネジメントのところも。家族とヘルパー(メイド)(メイド)さんの個性に応じて、対応の仕方がいろいろあります。
また、生活をしていればなんらか発生するトラブル対応も家庭によりいろいろ。今回も、情報盛りだくさんにQ&A方式でお伝えします。
■生活上での距離感
Q.ヘルパー(メイド)さんのとの距離感は近いほうがいいですか、それとも離れていたほうがいいですか?
A.一定の距離感があったほうがいいかもしれません。基本的に、夕食など家族の時間には、ヘルパー(メイド)さんには席を外してもらっています。また、ヘルパー(メイド)さんも慣れているので、家族の食事時間になると自室に戻ったりと配慮してくれる場合もあります。一定の距離を保つことで互いによい緊張関係ができると思いますよ。
■管理方法
Q.ヘルパー(メイド)さんの管理は厳しいほうがいいですか、それとも優しくしたほうがいいですか?
A1.私の家庭では、厳しめのマネジメントをしています。
以前勤めていたヘルパー(メイド)さんに優しく接しすぎて、態度が怠惰になってきたという経験があります。、そのため次の方からはしっかりと管理しました。
具体的には、日報によって一日のできごとや業務内容を報告してもらっています。これに加えて毎日何の仕事(家事)をするかスケジュール表も用意して、それ通りにこなしたかどうかも、日報でチェックするようにしています。
また、日報のレビューを返すことで、ヘルパー(メイド)さんが出来ること・出来ないことがはっきりわかるようになりヘルパー(メイド)さん自身の成長にもつながっていると思います。また、この日報はコミュニケーションツールにもなっています。
A2.私の家庭では、ゆるりマネジメントをしています。
基本的に今週何をするかといった簡単な計画に基づき、仕事をしてもらっています。
細かく日々管理をするというよりは、雇用前に、しっかりと家庭内ルールの共通理解を互いにしっかりと持ったので、何かあっても、このルールに立ち返って解決しています。
A3.私の家庭では、ほとんどマネジメントしていません。
ヘルパー(メイド)さんが来て新生児の世話をしてくれるだけで助かっていたので、あまり管理をしていませんでした。ヘルパー(メイド)さんが自主的に仕事をしてくれているのでお任せしています。
■トラブル対応
Q.トラブルがあったときはどのようにしていますか?
A.トラブルがあったときは、できるだけその場で解決するようにしています。
相手に気を使って我慢してしまうのではなく、ダメなことはダメとしっかり伝えることが肝心です。
例えば、門限を守らずに朝帰りした場合にも、毅然とした態度でしっかりと注意して、今後は時間を守るよう伝えました。
トラブルは起きて当たり前なので、しっかりとこちらの態度と怒っていることを伝えて、次を防ぐようにするとよいですね。
なお、破損などのトラブルを隠したり嘘をついたりするヘルパー(メイド)さんもいるかもしれません。
こういう場合にも、トラブルを言わなかったり、嘘をついたりするほうが余計に怒られることをしっかりとわかってもらうよう伝えることが大事です。
■自由時間や休日
Q.ヘルパー(メイド)さんの自由時間で気を付けることはありますか?
A.プライベートな時間なので管理するのは、正直難しいところです。
特に、休日はヘルパー(メイド)さんが外出することが多いので、全てを把握するのは厳しいかもしれません。ただ、軽率な行為がヘルパー(メイド)さん自身の人生に影響を及ぼすことがあるなど、相手の立場に立って話をすることはできるかもしれませんね。
こちらが知らないうちに妊娠していてびっくり!とか都市伝説的な話がありますが、そういうことがないよう事前に話し合うことはできますね。
あと、たまにヘルパー(メイド)さんとSNSでつながったりして知りたくないのに、何やってるかわかるときもありますよ(笑)。
■仕事に対する満足度
Q.ヘルパー(メイド)さんの仕事に対して満足できないときはどうしていますか?
A.日本人である私たち雇用側と、ヘルパー(メイド)さんの育ってきた環境は違うので、仕事の質に対する考えも違うと思います。
その都度、話し合ったり、文書にして読み合わせたりと意識改革をしています。
例えば、本人が、悪意なく過剰に甘いものばかりを子どもに与えていたら、虫歯になるので与えないでと理由を合わせて伝えるようにいています。他にも、栄養バランスを教えるためにYouTubeを利用しビジュアル的に理解できるようにしました。
ただ、ヘルパー(メイド)さんの文化背景が異なることを尊重することは忘れないようにはしています。学歴や受けてきた教育レベルが異なりますから、日本人と同じ価値観を求めるのは難しいですよね。
また、ヘルパー(メイド)さんのお仕事に疑問を持った時、時給換算で支払っている給与にに見合っているかどうか、コストパフォーマンスを意識したり、自分が求めすぎていないか、見直してみるのもひとつですね。
■スマホ利用
Q.ヘルパー(メイド)さんのスマホルールは作ったほうがいいでしょうか。
A.基本的に就業時間中の使用はしないようにお願いしています。
ヘルパー(メイド)さんがスマホを使っている間に子どもへの意識が薄れ、事故に合う危険性などの理由を伝えることで、納得してもらっています。ただ、スマホ使用を制限していても、どこまで厳格に行われているかはわからないので、ヘルパー(メイド)さんを信頼してまかせている状況です。
なお、家庭によっては、スマホ自体を雇用主が預かり、終業後や自由時間の際に返しているところもあります。
あと、スマホ使用が目にあまる場合は、夫が嫌がっているのでやめてほしいと伝えるなど、配偶者(男性)をだしに使うと効果的なことも!
■貴重品や現金の管理
Q.貴重品・現金の管理はどのようにしていますか?
A.貴重品は、できるだけリビングなどのオープンスペースには置かないように気をつけています。
置くことがある場合は、自分の目が届くようにするなど、誤解を招くようなことを避けています。
また財布にどのくらいお金があるか認識を持っておくことも大切です。
万が一、何かなくなったとき、失くしたのか取られたのか分からず、互いに疑心暗鬼になってしまうので……
徹底するならば、貴重品をマスタールームの戸棚にしまい、マスタールーム自体入室禁止にしてしまうのもひとつの手かもしれませんね。
また食費や日用品などを買うための現金は、ヘルパー(メイド)さん専用の口座をつくってそこから買い物などに使ってもらっています。
それから、毎日レシートを確認して何を買ったかチェックしています。または、事前に一定額のものであれば、ヘルパー(メイド)さんに立て替えてもらっておいて、事後にレシートで清算することもあります。
■子どもとの距離感
Q.ヘルパー(メイド)さんと子どもの関係が親密になりすぎて少し寂しい気もします……
A.子どもにとっては、たくさんの人から愛を受けて育っている良い環境ですよね。でも、親としては少し寂しいですよね。
ヘルパー(メイド)さんには、できるだけ親子の時間を尊重してほしいと伝えておくことが大切ですね。ただ、子どもも成長するの
で、それに伴い立場や役割を理解してくると思いますよ。
なお、子どもの関係で気を付けたいのが、甘やかしすぎてしまうことです。
子どもが、ヘルパー(メイド)さんに対して失礼な態度をとった場合、しっかり注意したり、相手を尊重したりするよう伝えています。ヘルパー(メイド)さんにも子どもが悪いことをした場合には、しっかり叱るようにしてもらっています。
やはり、育児も文化背景の違いがあるので、気づいたら都度、ヘルパー(メイド)さんに家庭のルールをしっかり伝えていくことが大切です。
できるだけ、子どもとヘルパー(メイド)さんだけの関係にならないよう、コンド内などで仲間を見つけてコミュニティを形成できるといいですね。大人数で遊べる環境があるのも、子どもにとってもヘルパー(メイド)さんにとっても健全でいられそうですよね。
■長期休暇
Q.長期休暇(ホームリーブ)を依頼された場合はどうしていますか?
A.原則、契約において年に1回の長期休暇(ホームリーブ)を認めていると思います。
交通費は、片道分 を雇用側が提供するのが一般的だと思います。また、契約書上の長期休暇を取得しなかった場合、交通費分の現金を渡すこともあります。
ただ、親族に不幸があったなどの、イレギュラーでの一時帰国については正直真相を把握することは難しいのが現状です。突発的な帰国は自費など何かしらのルールを契約上で定めておいたほうがよいかもしれません。
■契約更新
Q.ヘルパー(メイド)さんの更新の時期です。頑張っているので昇給してあげたいですが、契約更新のたびに上げ続けるのはちょっと…
A.昇給は毎年できればよいですが、こちらのお財布事情もありますよね。
仕事の出来具合に応じて、昇給のある年とない年があってもいいかもしれません。昇給できなくても、ボーナスを出したり、自由時間を増やしたり、スキルアップの学費の提供など、他の手段で相手に納得してもらうのもいいかもしれませんね。
家族との生活に慣れて、よい仕事をしてくれるヘルパー(メイド)さんにはできるだけ長く働いてもらいたいですよね。昇給だけでなく、相手のキャリアアップなどを他の利点を考えながらバランスとってあげられるといいのではないでしょうか。
以上が、ヘルパー(メイド)さんとの生活にあたって気を付けたいポイントです。
ヘルパー(メイド)さんにとっても、知らない家庭に入って生活したうえで仕事をこなすということは、並大抵のことではないと思います。ましてや、立場的に雇用される側でもあります。そんな思いをしながらも、この仕事を選ぶにはそれ相応の理由があると思います。
一方、雇用するはたママファミリーにとっても、家族の円満な生活にはなくてはならない存在ですし、仕事をいい加減にされてしまったら楽しい生活が送れません。家庭にはその家庭のやり方があるので、それをうまく受け入れてもらいたいものです。
今回の体験談シェア会を取材して思ったことは、それぞれに、別々の方向を向くのではなく、「気持ちよくハッピーに生活する」を合言葉に一緒になって頑張るチームワークがキーポイントかということです。
家庭によってチームワークはそれぞれ形があっていいと思いますが、お互いが「同じ方向」を向くことができるか、相互理解が大切だと感じました。
また、ハッピー生活を手に入れるためには、導入してから軌道に乗るまで一定の時間がかかるのだとも感じました。ヘルパー(メイド)さんとの暮らしという新しい経験が板につくまでは、それなりの体力(根性?)や忍耐が必要であるということも感じました。
こういう風に書いているとまるでヘルパー(メイド)さんとの生活術は、会社経営のみたいに思えます!家族という「会社」をうまく「運営」していくために、ヘルパー(メイド)さんという「従業員」をいかに育成し、モチベーションを保ち管理していくか……そのために、文書やルールをつくり明文化する。
こうして、ヘルパー(メイド)さんとの関係に四苦八苦しているうちに、その歩んできた道には会社経営に必要となるスキルがすっかり積みあがっていくように思います。
ヘルパー(メイド)さんのいるはたママのみなさん、安心してください、いつでも社長になれますよ!
2回に渡ってお送りした「ヘルパー(メイド)さん体験談シェア会」。会場の熱い議論がどこまで伝わったかわかりませんが、ヘルパー(メイド)さんとの生活に疑問や不安を感じている方のお役に立てば幸いです。
久しぶりに、キーボード打ちすぎて指紋が消えるかと思いました(大げさ)が、また近々次の知っ得をお届けします!お楽しみに!
Reported by
体験談シェア会 パネラー:Emi Waddington, Naomi Tanno, Tomoko Sueda, Risako Minami
ファシリエ―ター:Rie Tokuzawa
イベント企画:Naomi Tanno, Saki Hirashima
はたママ特派員:Aiko Mochizuki