はたママインタビュー Profile003:漢那 有美

大好きだった仕事を辞めて、ご主人の海外転勤に帯同してきた漢那 有美(かんなゆみ)さん。

第一子の海外での出産ののち、これから働こうと考えている多くのママたちの情報源かつ心の支えになっている「プレはたママ部」の立ち上げに関わった有美さんが「働きたい!」という気持ちをどう実現してきたのか伺いました。

 

期限があるシンガポール駐在だからこそ、一歩踏み出してみることが大事

 

家族で経験をシェアしながら人生を歩みたい!大好きな仕事を辞めてシンガポールへ

 

新卒から3年間、インテリアメーカーの海外貿易部門に勤務したのち、自分メインで仕事を動かしたい、仕事で自己実現したい、という思いから食品専門商社に転職しました。

新しい職場ではチョコレートや季節商品、オリジナル商品開発や大型定番商品のブランド管理などを担当しました。消費財の購買や調達といった輸入プロキュアメントといわれる一連の業務が中心で、海外の展示会で新規商材を発掘するなど一見華々しいようですが、扱い金額も大きくブランドへの責任が重大です。品質管理には神経をとがらせ、補償問題や権利が絡む海外メーカーとの深夜に及ぶ交渉などもあり心臓が相当に鍛えられました。

 

アメリカ出張でのプレゼンテーション

 

各国プレゼンテーション後の集合写真

 

大げさかもしれませんがまるで自分の子のように育ててきた担当商品が店頭に並び、その商品をお客様が手に取って買ってくれる姿を見られるのは嬉しかったです。有名なテレビ情報番組で担当商品が取り上げられたこともあり、やりがいと達成感にあふれていました。

 

夫のシンガポール転勤が決まったときには相当悩みましたが、家族でいろんなことをシェアして人生を歩むほうが良いと考えて帯同を決めました。しかし、半年前から決まっていた欧州出張など大事な仕事があったため、そこまではやり切ってから帯同することにしようと考えていたのです。

 

ところがその後すぐ妊娠が判明。

妊娠初期で先に赴任した夫とは離ればなれのひとり暮らしになりました。

 

それでも大好きな仕事を最後までやり切りたくて一週間の欧州出張、インフルエンザを乗り越えて引っ越しの準備をして引継ぎをして。仕事を辞めるのは寂しくて複雑な気持ちでした。この時期は目の前のことに必死だったし、毎日目がまわるくらいの全力疾走。この経験がシンガポールに来てからの気持ちの変化に作用しているのかもしれません。

 

譲れない条件は何かを考えた就職活動、同じ境遇の仲間が励みになった

 

シンガポールに移り、出産前にいくつかの人材会社のセミナーに参加しました。そのうち1社のセミナーで、はたらくママグループ(以下はたママ)発起人のまっきー(小野麻紀子)と知り合い、はたママの活動に参加するようになりました。

夫の海外転勤に妊娠、一人暮らし、引っ越し、出産、さらに子育てと、ライフステージの変化が一気に押し寄せてきたこの時期、身近な経験者からの情報は貴重でした。それでも仕事へのあふれる想いがあり、出産してからは6か月くらいで仕事を始めたいと考えていましたが、目の前にいるわが子が愛おしく、一緒に過ごす時間を大切にしたいと思うようになりました。

 

家族で過ごす休日はQUALITY TIME!

 

ですが、夫の海外駐在は、ある程度期間が決まっています。私にとっては仕事をしていない期間が長くなればなるほど、シンガポールで働ける残り時間は少なくなります。急いでキャリアを積んでおかないと、という不安が押し寄せてきました。

そんななか、はたママで「プレはたママ部」の立ち上げに関わらせてもらいました。これからシンガポールで働きたいという、同じ気持ちを持つママの集まる場です。就職に向けての必要なタスクや、心のもやもやを整理するためのワークシートを作って、次に会う時までにシェアするなど、同じ志の仲間がいること、そしてそのメンバーが働き始めたりすることはなによりの刺激になりました。

 

共通する想いとエネルギーがみなぎった仲間とのひととき

 

仕事探しの条件も、自分自身の成長に加えて息子と過ごす時間を重視した結果、次の3点が必須になりました。仕事上英語が必須のグローバルな環境で、保育園と同じ駅周辺の勤務地、子どもの急な熱などに理解がある環境かどうか。こうして縁あって1年8ヶ月のブランクを経て現在の商社に勤務することになりました。

 

仕事を再開してよかったことは、「○○くんのママ」ではなく、「Yumi san」と呼ばれるようになったこと、任せられた仕事に対する責任と達成感を感じられることです。それから、仕事後のちょっと空いた時間を自分のために使えること。大好きな服や靴をゆっくり見ていると、自分を取り戻したような気持ちになります。

 

働きたい!それならとりあえず行動してみよう

 

シンガポールに駐在帯同で来ているママたちには似た境遇の人が多くいます。わざわざ働かなくても良い中、自分で自分の背中を押すのは難しいですよね。

私もグルグルもやもや、細かなことまで気にしてがんじがらめになっていた時期がありました。あるとき、大枠から考えて単純に2択にしてみたら動きやすかったんです。答えは「働きたい!」という率直な気持ち。

それならとりあえず行動してみよう、と踏ん切りがつきました。期間限定の駐在家庭ですから、なりたい方向めがけてまずは早めに行動して、自分なりに感じてみることが一番いいのではないかと思います。

 

プロフィール

 

漢那 有美(日系商社のセールスコーディネーター、時短勤務 9:00-16:30)
高校時代にオーストラリア、大学在学時はアイルランドへの留学を経験。新卒から3年間、インテリアメーカーの海外貿易部門で海外工場との生産管理や輸出入業務を担当した後、食品専門商社に転職しオリジナル商品の開発や欧州で開催される大規模展示会での商談など最前線での業務を経験する。夫の海外転勤のため退職してシンガポールに帯同ののち、出産、子育て専念期を経て日系商社に再就職。いやいや期真っただ中の息子と夫の3人暮らし。

Photo by Makico Ono
Witten by Azusa Mochizuki Seki

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