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シンガポール、家族4人のデング熱体験記 (はたママ版 デング熱Q&A)

世界的にコロナの話題でもちきりですが、シンガポールでこわいのはコロナだけではありません。シンガポール国内で毎年多くの人がかかっているウイルス感染症、それは、デング熱。

今年は(2020年5月時点)昨年の2倍以上の感染数が報告されています。気温と雨量が上がる6~10月は患者数がさらに増えると予想されます。

デング熱は4種類ありますが、今年は30年間流行が見られなかったタイプ3が主流とのこと。サーキットブレーカーのため放置された建設現場で蚊が発生したり、駆除剤を散布するワーカーさんに外出制限がかかったり、感染拡大にはコロナの影響もある様子です。

そこで、ご本人含めた家族4人がデング熱にかかったばかりというNさんの体験談をご紹介したいと思います。Nさんはご自身が4月に感染し、その数週間後に子供さん3人が同時期に感染した体験をお持ちです。Nさん自身の南国ならではの対処法と、お子さんの看病記録をレポートします。

また、後半の「体験者が語るデング熱Q&A」では、一般的なデング熱に関して知りたい、感染経路、症状、処置法、ワクチンの有無などを説明しています。

私たちの経験が参考になりますように。(筆者も今年2月にデング熱に感染しました)

 

Nさんファミリーのデング熱体験記

2020年4月、世界中がコロナウイルスと戦っている中、私に発熱の症状が。シンガポール生活17年目にして、まさかのデング熱と診断されました。

 

特効薬のないこの病気、医師からの指示はパパイヤの葉を擦って出たパパイヤ青汁を一日4回飲むことでした。(パパイヤは近所に生えているものでOKとのこと。はちみつやジュースを混ぜても本当にまずく、毎回吐きそうになりました。同じ時期にデング熱にかかった65歳のおばあちゃん、パパイヤ青汁飲んで2日で復活したそうです)

毎日血液検査を受けましたが、白血球が入院手前まで減ってしまい、ちょっと動くだけでもしんどい日々が一週間ほど続きました。その間、シンガポーリアンの義理母や姉が、体に良いと言われるあらゆるものを作ってくれました。(たとえば、2時間じっくり煮込んだゴーヤとカエルのdouble boiled スープとか)

 

サーキットブレーカーで子供達3人はオンライン学習が始まりましたが、私は寝込んでおりサポートもできず。おかずやデザートをデリバリーしてくれた家族や友人達の助けで乗り切ることができました。

 

そして私が復活して一か月後もたたないうちに、今度は子供たち3人(小5、小3、小1)が揃って次々とデング熱に。。

 

NEA(環境省)の職員が我が家に来てチェックした際は、ボウフラが沸いているところも卵もなく綺麗とのことでしたし、子供がなっては可哀想と外に出る時は必ず明るい時間、スプレー&蚊取り線香を徹底していたのですが。どうやら家の近くの工事現場から蚊が発生しており、近所のご家族やクラスメイトもデング熱に感染するという状況でした。

 

子供たち3人が次々と40度近い高熱が出たので、夜中に何度もアイスノンをかえ、3人の体温チェック表を作って管理しました。3人とも、2、3日間はとにかく一日中寝ていました。一番大変だったのは、末っ子にパパイヤ青汁を一日4回飲ませること。口直しにジュースを準備しても無理だったのですが、口直しに味噌汁をあげることで落ち着きました。味噌汁は水分と塩分補給になりますし、和食になじんだ私たちの体が自然に求める栄養なのかもしれません。

幸い3人とも身体が強いらしく、白血球の数も減っておらず、私の時のように毎日検査する必要はありませんでした。驚いたのは、病院に行ってもデング熱の血液検査の人ばかりだったこと。

子供たちの回復は私よりもずっと早く、3~6日間で元気になりました。

自分と子供たちのデング熱を経験して感じたのは、健康で家族揃ってご飯が食べられるって本当は幸せだということ。これからは日々の幸せに感謝しながら過ごしていきたいと思いました。

 

 

体験者が答える、はたママ版 デング熱Q&A

デング熱はどうやって感染するの?症状は?

縞々の蚊(ネッタイシマカ)に刺されることによって感染します。潜伏期間は3~14日。75%は無症状といわれ、人から人への感染はありません。

症状は、悪寒、頭痛、高い発熱から始まり、筋肉痛、強い倦怠感を感じる人が多いようです。

筆者の場合、回復期になるまでインフルエンザと思い込んでいました。症状がとても似ているので。高熱の後に微熱が数日続き、腰の骨がきしむように痛く(出産の痛みを思い出すほど)、食欲もなくフラフラでした。近所にクラスターが発生していると聞いて慌ててクリニックで検査し、デング熱と判明。その頃には回復期に出るという赤い小さな斑点が腕に広がっていました。

どんな検査をするの?

クリニックで血液検査を受けます。結果は半日くらいで判明し、医師から電話で報告を受けました。白血球、血小板などの数値が著しく減少していたり、体力の消耗が激しい場合は入院が必要となります。数値が戻るまで定期的に血液検査が必要です。

回復までどのくらいかかる?

人によって違いますが、数日から1週間ほどで回復します。

なかには、しんどい感じが1か月続いたという人もいますし、回復してもしばらくは無理しない生活を送ることをおすすめします。

どんな治療をするの?

デング熱に特化した薬はなく、対症療法となります。体を休めて安静にする事が第一ですが、デング熱が疑われるときはまずはクリニックで受診してください。

気を付けたいのは、高熱や頭痛を抑えるための解熱鎮痛薬は控えた方がいいこと。出血傾向を強める成分が入っていることがあります。

Nさんの体験談にあったように、パパイヤの葉は回復を早める効果があるようです。血小板を増加させる成分が含まれており、シンガポールの医師も勧める天然の治療薬です。薬局等でパパイヤパウダーが販売されており、簡単に手に入ります。

デング熱を予防するにはどうすればいいの?

蚊にさされない対策を習慣化し、蚊を発生させない環境を維持することが大切です。

  • 外出の際は蚊よけスプレーを。肌はかくれていてもズボンの中に入ってくることがあるので、膝上くらいまでしっかりと。
  • 近くでクラスターが発生していないか定期的にチェック。NEA(環境省)のウエブを参考に。デング熱のページでは、クラスターがどこで何人発生しているかの詳細がわかります。クラスターがおさまるまでは、窓を開けっ放しにしない、長袖を身に着ける、ベランダや玄関にもスプレーをするなどの自己防御を。
  • ボウフラが湧かないように、家の中に水がたまる場所を作らない。植木鉢の下、バケツの中など隅々までチェック。
NEAのウエブサイト。クラスターの場所が一目瞭然。

政府はどんな対策をしているの?

検査にてデング熱陽性が確認されると、病院から政府の環境庁(NEA – National Environment Agency) に報告がいきます。クラスターが発生した地域は、近所に注意をうながす垂れ幕がかかります。そしてNEAのスタッフが一軒一軒訪問し、家の中にボウフラが発生していないかをチェックします。発生が確認された場合は罰金です。

クラスター告知の垂れ幕。10人以上が赤、10人未満が黄色、ゼロになると緑になります。

 

感染者にはNEAのスタッフから電話によるヒアリングがあり、自宅内の駆除スプレー散布を希望する場合は日時をアレンジしてくれます。

最近は屋根に水たまりが発生してないか、ドローンを使って確認しているようです。屋根に葉っぱが生えていると水が溜まっている環境とのことで、チェックに抜かりありません。

NEAが国民にデング熱予防をよびかけるポスター

ワクチンはないの?

デング熱予防のワクチンは現在のところありません。が、一度デング熱に感染した人のみを対象にした弱毒化ワクチンは開発されています。

デング熱には4種類あり、一度感染した型には抗体ができますが、別の型に感染すると重症化リスクが高まります。弱毒化ワクチンは重症化予防、入院予防で80%以上の効果が確認されています。接種できる人は、一度デング熱にかかった人で12-45歳であること。3回接種で5年間有効、予算は約S$500です。ワクチン希望の場合はクリニックに相談してください。

 

Source

MOH Web: https://www.moh.gov.sg/diseases-updates/dengue

Denque vaccine: https://www.hsa.gov.sg/announcements/news/hsa-approves-dengvaxia-vaccine

https://www.raffleshealth.com/dengue-vaccination-for-ages-12-45-3-doses-with-consultation.html

Written by Naomi Tanno

 

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