オシゴト応援

フリーランスで働くってどんな感じ? ~Waris 田中美和さんから学ぶ「多様な働き方・多様化するフリーランス」~(はたママ セミナー報告)

はたらくママ、仕事復帰を考えているママにとって、「多様な働き方」「フリーランス」は気になるキーワードではないでしょうか。子供が小さくても働きたい、そのために柔軟な働き方が出来るといいのに!と願うのはとても自然なこと。フリーランスで働くとは実際どんな感じなのか、働く選択肢の一つとして知ってみたいと思いませんか?

さらにシンガポールはたママには、こんな悩みを持つメンバーも多くいらっしゃいます。

  • 駐在で住む環境が変わっても働き続けたい。
  • フルタイムでなくてもキャリアを十分に生かせる仕事を探したい。
  • 帰国後のキャリアプラン、どんな選択肢があるのだろう。

 

そんなはたママメンバーにぜひ!と開催されたのが「多様化する働き方・多様化するフリーランス」について学ぶセミナーでした。はたママ創始者、まっきーのお知り合いでもあり、株式会社 Waris (ワリス) の経営者でもある田中美和さんを講師にお招きして、日本とシンガポールを繋いだオンラインで開催されました。

 

はたママメンバーに役立つ情報がたっぷりつまったこのセミナー、田中さんの許可をいただき、内容をみなさんにシェアしたいと思います。
↓セミナーではこんな様々な疑問に答えて頂きました!

 

「多様な働き方」のパイオニア、田中美和さんと、Waris のご紹介

講師の田中美和さんは、現在、人材サービス事業「Waris」を経営されていらっしゃいます。田中さんご自身、とても興味深いキャリアの作り方、働き方をされてこられています。

田中さんは、日経ウーマン、日経BPの記者としてキャリアをスタートし、会社員からフリーランス、そして起業家・経営者として働き方を変えてこられた経験をお持ちです。

記者生活の中でたくさんの女性をインタビューしてきた田中さん。話を聞くなかで、モヤモヤや葛藤を抱える女性が多いことに気づきました。記者の立場として自分が出来る事の限界を感じ始め、目の前にある社会課題を解決する側になりたい、との思いで会社員を退職。「すべての人に自分らしい人生を(Live your Life)」のビジョンのもと、ジョブマッチングサービスのWarisを起業されました。

Warisの経営者は田中さんを入れて女性3名。それぞれ、東京・福岡・ホーチミンと別々の居住地でリモート経営を実践されています。正社員、業務委託、副業含めてワリスのスタッフ約30名のみなさんは、フルリモートで、多様な働き方を実現しています。

セミナー講師:田中美和さん Waris代表取締役・共同創業者

Waris ホームページよりhttps://waris.co.jp/member/akiko-nakamura

 

日本におけるフリーランスの全体像と最新の実態

田中さんは「一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア フリーランス協会」の理事でもいらっしゃいます。協会が発行しているデータをもとに、フリーランスの最新の実態について教えていただきました。

 

フリーランスとは、「特定の企業や団体、組織に専従しない独立した形態で、自身の専門知識やスキルを提供して対価を得る人」と定義されています。

 

現在、全労働人口のなかでフリーランスが占める割合は6%の390万人。少子化で労働人口が減少する中、内閣府や政府機関による一億総活躍社会の推進もあり、今後増加していくことが見込まれます。

フリーランスには大きく2パターンあります。

ひとつは、都度契約で仕事をし、雇用関係を持たない独立系フリーランス
もうひとつは雇用関係のもとで働く副業系フリーランスです。

一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会「フリーランス白書2020」(https://blog.freelance-jp.org/20200612-9648/)

 

職種は以下の3つのカテゴリーに分類できます。

  • クリエイティブデザイナー・ライターなど)
  • 職人(シェフ・ハウスキーパー・スポーツコーチなど)
  • ビジネス(PR、マーケター、人事・財務スペシャリストなど)
一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会(独立・副業の手引き https://www.freelance-jp.org/start_freelance)

 

仕事の見つけ方ですが、7-8割が個人の人脈(友人、前職の付き合いなど)で仕事を獲得しています。

仲介サービスを通して探すケースも徐々に増えており、エージェントも様々ですので、自分の得意分野に強いエージェントを探して使い分けていくことがおすすめです。

例えば、田中さんのWarisでは、実務経験10年以上の30代から40代前半、人事・PR・マーケティング・経理等の分野で成果を出してきた登録者が多いとか。クライアント企業さんは30%が大手企業、70%がベンチャー・中小企業だそうです。

一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会(独立・副業の手引き https://www.freelance-jp.org/start_freelance)

 

仕事の関わり方で見ると、以下の3つのタイプに分けられます。従来のタスク型に加え、中長期でコミットするプロジェクト型や、企業のコアに関わっていくミッション型など、働き方の多様性と、活躍の場が広がっていることがわかります。特にミッション型は上流工程の業務内容が多いため、報酬も高い傾向にあるということです。

一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会(独立・副業の手引き https://www.freelance-jp.org/start_freelance)

 

フリーランスに必要な4つのスキル(力)

フリーランスは時間と場所の自由度が高いため、例えば「2拠点生活」など、自分の生活スタイルを大切にしながら働きたい、という人がフリーランスになる傾向があります。ただ、全ての人がフリーランスとして働けるわけではなく、フリーランスには、4つのスキルが必要だと教えていただきました。

 

  • 売りになる専門性やスキル
  • セルフマネジメントスキル
  • やり遂げる力
  • コミュニケーション能力

 

まず「1」の売りになる専門性やスキルですが、これはフリーランスになるための大前提で、この知識やスキルが自身の武器となります。

「2」のセルフマネジメントスキルは、会社員であれば上司や先輩が目標達成の支援をしてくれるわけですが、対してフリーランスは目標達成において全て自分で管理をする能力が必要になるということ。

「3」のやり遂げる力は、成果に対して報酬をいただく形なので、最後まで責任を持ってやり遂げる力が必要だそうです。

そして「4」のコミュニケーション能力。フリーランスでは、お客様からの信用を得て継続的に仕事の依頼を受けている人も多く、提案力やコミュニケーション能力が高い人ほど、業務を上手く進行し、クライアントとの関係性も築いていけるため、重要なスキルの一つということです。

フリーランスに向く人・向かない人

田中さんは、上記の4つのスキルを併せ持つ人は、フリーランスには向いていると言います。時間と場所の自由度が高いということは良い響きに聞こえる一方で、自分に対しての責任やコントロールすべきことが増えることになるので、これらを全て理解した上で「自分はフリーランスに向いているかどうか」を考えてほしいとのことでした。

With コロナ時代で、働き方も変わってきています。これからは「テレワーク」「成果重視」「ジョブ型」「自律性の高いプロ人材」のニーズが高まってくると言われています。フリーランスは、まさにこの「これから」の働き方に貢献できる雇用形態であるため、フリーランスに向いている人は、まずは副業からでもチャレンジをしてみるチャンスかもしれません。

フリーランスで働くメリットとデメリット

会社員でもパーフェクトな環境がないのと同様、フリーランスにも、良いところと悪いところがあります。

メリットは、①専門性やスキルが生かせる、②時間・場所の自由度が高いこと。
デメリットは、①社会保障が(会社員に比べると)手薄、②収入が不安定(※ローンが組みにくい)、が挙げられます。

メリットは、上記でもお伝えした通りですが、現実として、保険関係は全て自分で払う必要があったりとデメリットは避けられないため、会社員かフリーランスのどちらを選択するか、きちんと理解した上で決断する必要があります。田中さんが理事をされている「プロフェッショナル&パラレルキャリア フリーランス協会」では、フリーランスが加入できる保険を用意されているので、ご興味のある方はこちらをご覧ください。

Q&A

Q: フリーランスに興味はありつつも、一歩を踏み出せない人もいると思いますが、その場合はどうしたら良いでしょうか?

A: 自分がフリーランスに向いているかどうかも含めて判断されたほうが良いと思うので、まずは、副業で小さく始めてみる、というのが良いと思います。経験してみないと分からないこともありますので、焦ることなく一歩ずつトライしてみてください。

 

Q: 子育てを終え、仕事に復帰したいと思っていましたが、すでに50歳を超えています。Warisのフリーランスの年齢構成ですと、30代〜40代が多いようですが、50代でもフリーランスとして働くことは可能でしょうか?

A: 売りになる専門性とスキルがあれば、50代でももちろん働くことは出来ると思います。現在の実績として30代〜40代が多いのは事実ですが、withコロナでこれからの働き方が変わってきている中で、50代のフリーランサーが増えてくる可能性もあると思います。

 

セミナーを終えて

「フリーランスとして働く」人々が徐々に増えてきており、そのための環境的なサポートも整い始めてきていると感じました。特にコロナ禍において、リモートで働くこと、多様な働き方に目を向ける企業が増えています。

フリーランスを自分の選択肢として考えたことのないメンバーも多いと思いますし、必要なスキルを聞いたときに、「私には無理かも」と思った方も多いのでは。それでも最初から完璧なスキルを持っている人は少ないと思いますし、多くのスキルは実践しながら身につけていくもの。今、コロナでリモートワークをしながらそのスキルを意識して伸ばすこともできますし、副業を小さなところから始めてみると将来につながるきっかけになるかもしれません。

はたママメンバーのキャリア選択肢が増えるきっかけになると嬉しく思います。

 

Reported by Tomoko Kamiya & Naomi Tanno
Special Thanks to Makico Ono (HataMama) & Miwa Tanaka (Waris)

 

※本サイトの情報は、掲載時点の情報です。掲載後に情報が変更になることもありますのでご了承ください。